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ストーリー


連星軍と暗黒軍は、壮絶な戦いを繰り広げていた。
一時、連星軍の有利かと見えた戦いは、暗黒軍がモンスターの力を借り、
一気に逆転してしまった。
そんな時、連星軍の青年騎士「竜一」に極秘指令が下った。
「光の妖精を探せ・・・」

実は、このゲームは、未完成の小説が元になりました。
ついでにその小説を紹介します。(未完成ですけど)
物好きな方だけご覧下さい。
中途半端で終わっているので、気持ち悪い思いをされても当方では一切責任を負いません(笑)

<オープニング>

大陸は、戦乱の渦に包まれていた。
負けた国は、勝った国の支配下になり、多くの国が、飲み込まれていった。
そんな中、2つの軍制が残った。
ひとつは、連星軍。大陸最強の騎士団『竜神隊』を筆頭に、7つの部隊を持っている、戦士中心の軍。
もう一つは、暗黒軍。魔物を操る魔術師中心の軍。
一時、連星軍の竜神部隊が暗黒軍首都を攻め、完全に連星軍の圧勝に終わると誰もが思った。
ところが、最強と謳われた竜神部隊がまさかの全滅、そこから暗黒軍の逆襲が始まり、今度は、連星軍が危機に陥った。
暗黒軍の猛反撃に連星軍は、7つの部隊の内、4つが破れ、残る部隊は、3つ。
そんな中、その残った部隊の内の1つ、屡陽(るよう)部隊の精鋭、富田竜一に個別指令があった。しかも、指揮官直々の指令である。
はたして、その内容とは・・・?

<ストーリー>
俺の名前は、富田竜一(とみたりゅういち)。
一応、軽戦士騎士をやっている。
今回、なんかわからんが、指揮官から指令があるというので、指揮司令室へと向かっている。一体なんだろ?
こういうことは、異例だ。本来、指令ってのは、偉い人からどんどん下っ端へ行く。例えば、最高司令官(王族や参謀等)→戦術指揮官(軍隊長)→部隊長→小隊長→騎士・・・ってな具合に指令が飛ぶ。でも、今回は、いきなり、戦術指揮官(軍隊長)→騎士・・・になってるわけだ。ムチャクチャ緊張するって。
と、言ってる間に、指揮司令室の前まで来た。
どきどきどき・・・。
ノックして、大きく息を吸って挨拶する。
「失礼します!屡陽部隊、第6小隊、富田竜一です!」
「入りたまえ」
中から声が聞こえたので、ドアを開ける。
『指揮司令室』の中を見るのは初めてだった。中は、丸テーブルがあり、広い会議室のようになっていた。そのイスには、数人の正装を着た人が座っている。もちろん、知らない顔はない。(しらなきゃもぐり)部隊長以上の役職ばかりだ。
「失礼します!」
俺は、もう一度一礼した。緊張のため、できればこのままドアを出て帰りたくなる。実際にやったら、間違いなく除隊だが。
「富田竜一君だね。君の活躍は、聞いているよ。」
真ん中に座っている人が話した。戦術指揮官・軍隊長の青海 さんだ。
歳は40代だが、まだまだ剣の腕は、一流だ。俺はとてもかなわない。
「ありがとうございます。」
俺は、そう言ってまた一礼した。
「実は、君に単独で任務を実行してもらいたい。」
軍隊長の隣に座っている、屡陽部隊長・南 春樹さんが言った。
俺の上司の上司にあたる。
「これは、姫君から君を指定しての命令だ。命に代えても成功させて欲しい」
姫君・・・。
服部 博子。俺の幼なじみ。小さい頃から一緒に遊んでいた。
しかも、2年前まで机を並べて勉強した仲だった。
しかし、身分の違いにより、2年前、俺達は、引き裂かれてしまった。
俺は騎士の道を、彼女は王女の道を、それぞれ歩んできた。
もう2年前の卒業以来、会ってない。元気にしてるだろうか・・・。
「君も知っての通り、現在、我々は、かなり苦戦している。」
俺が過去を回想している間にも部隊長の話は進んでいく。俺の意識は、過去の回想から現実へ戻った。
「これは、我々の戦士中心の軍隊に問題がある。そこで、魔術師を1人、味方に付けて欲しい。それが任務だ」
「魔術師・・・ですか?」
「そうだ。ただ少々癖のある魔術師でな。君もよく知っている人物だ」
俺のよく知っている魔術師・・・と言えば、1人しかいない。
「森岡知美ですか?」
「そうだ。彼女を我々の味方に付けて欲しい」
・・・無理だ。
森岡 知美。彼女も博子と同じく、俺の同級生だった。生徒会長で成績は常にトップ。
性格は、あまりよくない。人をからかってはケラケラ笑ってたっけ。
ところが、卒業後、街から姿を消してしまった。
最後に会ったときに彼女が残した言葉は、
「私は、こんな無駄なことはできない。時間の無駄」
・・・だった。
何が『こんな無駄なこと』なのかは、未だにわからない。彼女に何があったんだろう?
俺が彼女を捜し、しかも味方にするなんて・・・できるのか?
「森岡知美は、優秀な魔術師だ。だが、行方がわからない。死んだという説もある。しかし、我々は、彼女の力がどうしても必要なのだ。わかるね?」
「・・・はい。」
その後、しばらく任務についての説明が行われ、俺は退出した。
要約すれば、
1.最近、西の山知美を見たという目撃者がいた。
2.敵陣に知られないように、内密に行動すること。
3.仲間を付けても良いが、少人数にすること。
・・・である。
はっきり言って、不可能に近いぞ。
行方不明の人間を捜して見つけて、仲間にして連れ帰る。
しかし、博子のヤツ、なんで俺なんかにこんな事をさせるんだろう?
悩んでいても仕方ない。

さて・・・まず、情報を集めなければどうにもならない。かと言って何から手を着けて良いのやら。
俺は、城の見張り台に来た。ここからは、城下町も近隣の平野も見渡せる。
いつも考え事をするときは、ココへやってくるのだ。

目撃者の情報をさっきもらっていた。
城下町に住む、俺と同じ年齢の少女だ。名前を、三河 萌恵と言う。
商業の街「王酒(おうさけ)」出身だそうだ。なんでも、知美の事をあまりよく思っていないらしい。
そういえば、知美には親友の女の子がいる。しかも彼女も俺と同級生だ。
名前は、平尾 奈津美
剣術では、おそらく大陸2番目の腕前だろう。俺はもとより、さっきの軍隊長でもかなわない。
ちなみに、大陸最高の戦士は、竜神部隊長の平尾 大地だ。
まてよ・・・平尾?もしや、奈津美の親戚かなにかか?
しかし、平尾大地は、部隊全滅の時に戦死したと聞いている。
と、なると、奈津美は今や最強の戦士かも。
現在、傭兵部隊、第2小隊長を務めている。彼女なら何か知っているかもしれない。

俺は、平尾奈津美の小隊の宿舎へ足を運んだ。
ここは、騎士の宿舎から考えると結構汚い。掃除もあまり行き届いていないようだ。
傭兵ってのは、騎士ではない金で雇われた戦士である。つまり金の切れ目が縁の切れ目。敵に寝返ることもあり得る。その為、どうしても騎士よりもランクが下がってしまうようだ。
俺は、受付で平尾奈津美を呼びだしてもらった。だが、今はいないようだった。
広い城の敷地内を探す気はない。城にいないかもしれないし。
俺は、メモを書いた。
『夜7時、伊井床亭(いいとこてい)で待っている。−富田竜一
受付に奈津美に渡すようにお願いした。

その間に、目撃者・三河萌恵の所に行くか。
俺は、城を出て、城下町を歩いていった。彼女の家は、商業区で、さっきの伊井床亭の近くなのだ。だから、奈津美の待ち合わせに伊井床亭を使ったのだが。
ピンポーン。
「はいよー!」
中から威勢のいい声が聞こえて、すぐにドアが開いた。
「なに?新聞の勧誘やったらお断りやで」
「いえ、騎士の富田竜一と申します。森岡知美の件で少しお話を伺いたいのですが」
知美?・・・まぁええわ。ほんなら入って」
「失礼します」
俺は、言われるままに家の中へと入っていった。王酒の街出身だけあって、彼女は王酒弁のようだ。
「そこ、好きな所座っといて」
リビングに案内されて、俺は一つのイスに座った。広い家だな・・・っと、あんまりキョロキョロしてたら失礼だな。
「ほい」
目の前にお茶が出された。俺は「すいません」と言って一口飲んだ。
「で?知美のことってなに?」
知美を目撃されたそうですが、どこで見かけられました?」
「なんや、またそのことか。見つかったんかと期待したのに。」
彼女は、お茶を飲んで、ため息をついた。
「私も捜してんねんけどなぁ。あれは、2週間くらい前の日曜やったかな。友達数人とパーティ組んで冒険しててな、西の山に行ってん。ほんなら、山の中で知美を見つけたんや。」
「どのあたりですか?」
「・・・地図書いたろか?」
こっちが返事をするまもなく、どこからか紙とペンを取りだして、サラサラと地図を書き始めた。
「ここが、城下町でー、西の山の麓がこの辺やろ、んで、この道こういって・・・」
なるほどなるほど、よくわかる。
「ほら、これでどう?この×印が知美を見かけたところ」
「助かります。ありがとう」
「えーよ、えーよ、お礼なんて。今度なんか持ってきてなんて言わへんし」
・・・もって来なきゃダメなのか?
「あ、そや。私も一緒に連れてってくれへん?私も知美を捜してんねん」
「どうして、捜されてるんですか?」
「あいつに3年前500円貸したままやねん。ホンマ、ええ加減に返せっちゅーねん!この前見かけたときは顔を見るなり逃げられたからな。かと言って、私も1人ではよう行かんし」
・・・これが目撃者が知美のことをよく思ってなかった理由なのか。せ、せこい・・・。

「でも、危険ですから。代わりに見つけたら取り立てておきますよ」
「ホンマ!?助かるわー。あんた、ええ人やね」
はは・・・。

さて、結構、長居してしまった。面白かったけど。
そろそろ7時だな。奈津美との待ち合わせ場所へ行くか。

伊井床亭は、城下町の中でも小さめな酒場だが、味は最高だ。
外から中を覗いてみる。小さい店なのですぐにわかる。
・・・まだ、来ていないみたいだな。俺は、中に入って、先に注文した。
昔、騎士に成り立ての頃に奈津美に連れてきてもらったので、それ以来、彼女と待ち合わせするときは、ここにしている。
でも、最近の彼女は、忙しいようで、しばらく会ってない。小隊長ってのは、大変なんだろう。
「待った?ちょっと遅れちゃった」
声を掛けられて気づいた。いつの間にそばに来ていたのか、まったくわからなかった。
「いや、俺もさっき来たところだよ。まだ、ドリンクも来てないだろ」
「良かった」
「さすが、小隊長だな。気配を全然感じなかったよ」
「それは、竜一が鈍感なだけだよ」
彼女は、ニコッと微笑むと、荷物を置いて、席に着いた。傭兵部隊の小隊長も、今は1人の女の子になっていた。
「今日はどうしたの?竜一が誘ってくれるなんて珍しいじゃない。」
「小隊長昇進祝いが、まだだったろ?遅くなったけど」
「あはは・・・もう半年も経ってるよ」
知美を捜していることは、内密にしなければならない。彼女にホントのことを話しても良いのだろうか。

まぁ、知美の親友だから、大丈夫だろう。
俺は、今の任務を奈津美に話した。
「なるほどねー。竜一が誘ってくれるなんておかしいと思ったよ。やっぱり仕事の事だ」
「ごめん、今度は、プライベートで誘うよ」
「フフフ、期待しないで待ってるよ」
変な話だと思った。俺の方が役職が下なのに。でも、それは口に出さないようにした。彼女は結構繊細な神経の持ち主だから、こんな事を言っても傷つくだけだ。
俺は、仕事の話に戻った。
「あれ以来、知美とは連絡取ってないのか?」
「『あれ以来』っていうのは、卒業の時ってこと?」
俺は、頷いた。
「・・・今まで黙ってたけど、たまに会ってるよ。あいつは、たぶん西の山に住んでるんだ」
やっぱり知美は、西の山にいたんだ!
俺は、さっき三河萌恵に描いてもらった地図を見せた。
「この辺りなのか?」
俺は、地図に書いてある×印を指さした。
「・・・さすが竜一、もう突き止めてたんだ」
奈津美は、俺のことを感心したようだ。ホントは、三河萌恵に教えてもらっただけだったけど、あえて言う必要はなかったので、黙っておいた。俺って悪いヤツ?
「実は、知美の家っていうのは、私も知らないんだ。でも、その場所でいつも待ち合わせをするんだよ」
「待ち合わせ?」
「そう、毎週日曜日の夕方に会ってるの。あいつも山の中1人で暮らしてるから、寂しいんじゃないかな」
「日曜日って、・・・明日じゃないか」
「そ、明日の夕方。知美はその場所へ来るよ。・・・ただ、私は行けないんだよ」
「どうして?」
「明日から、新隊員の研修があってね。私もしばらくつきっきりになるから。ホントは・・・」
奈津美はちょっと顔を曇らせた。
「どうした?」
「いや、なんでもないよ。・・・それより、明日、知美にあったら私が行けないことを伝えてくれないかな。急に決まった事で、まだ知美に連絡取れてないんだよ」
「わかった。でも、ちょうど良かったよ。俺も会えるし。」
俺は、そこでふと思い出し、知美がなぜいなくなったのかの理由を聞いてみた。
「・・・あいつ、私とは意見が違うから、本人に直接聞いてみて」
奈津美はなぜかあまりしゃべりたがらないようだ。これ以上聞くのは悪いな。
俺は、話題を変えることにした。
「そういえば、傭兵部隊の宿舎の受付の人がさ・・・」
俺達は、その後、他愛もない雑談をして、楽しく食事した。

そして、次の日の朝。ついに出発の時が来た!
・・・の前に、仲間を集めなければ。
少人数で行動するといっても、西の山近辺は、モンスターや敵兵がうじゃうじゃしている。
そんなところへ1人で行くのは自殺行為だ。
奈津美は1人でも十分強いが、俺には、とても無理だ。
さて、誰を連れていこうか・・・。
今回の内密に行動すると言う点で、信頼できて頼れる人じゃないと、連れていけない。
しかも、危険な場所へ向かうのを承知してくれる人・・・。
俺の頭の中には、3人思い浮かんだ。

一人目は、知美奈津美達と同じ同級生の大石 由香。彼女は、シスターをやっている。
知美のことを心配していたから、一緒に行ってくれるはず。
城下町の教会へ行けば会えるだろう。
少々頭が悪いのとうるさいのを除けば、法力は申し分がない。
二人目は、俺と同じ小隊にいる速見 亜紀。彼女は、小隊の中で一番仲がいい。彼女ならきっと快く引き受けてくれる。
しかも腕も確かだ。俺と同レベルの剣術を持っている。
普通、同じ小隊から二人も抜けるのはきついが、今回は特別指令だ。小隊長も納得せざるを得ないだろう。
三人目は、服部博子王女。
彼女は、元々精霊使いだし腕も良い。
きっと、知美を心配してこんな任務を出したんだろう。
喜んで一緒に行ってくれるはずだ。

まず、由香を誘ってみよう。
俺は、城下町の教会へと向かった。
街のほぼ中心にその教会はあった。朝日の光を浴びて、きらきらと輝いていた。
俺には信仰心はないが、その光景は、手を合わせたくなるように美しかった。
「るんるんるーん♪」
俺が見とれている間に誰かが出てきた。聞いてみよう。
「おはようございます。」
俺が声を掛けると掃除を始めようとしたシスターらしき人が振り向いた。
「・・・おはようございます。教会にご用ですか?」
「騎士の富田竜一と申します。大石由香さんは、いらっしゃいますか?」
「あぁ、騎士の方ですか。私は、シスターの皆口 です。由香さんは・・・まだ眠っていらっしゃると思います。」
・・・やっぱり、まだ寝てたか。相変わらず寝坊癖は治ってないようだな。
「起こしてきましょうか?もう起床時間はとっくに過ぎておりますし」
「・・・起こしても起きないでしょう?」
「クスクス。よくご存じですね。でも、せっかくいらっしゃったのに・・・」
「いや、出直します。また来ると伝えて下さい。」
「わかりました。えっと、富田・・・えっと・・・」
「富田竜一です。よろしく、皆口さん」
「あ、はい。」
皆口さんはニコッと微笑んだ。

次はどうしようか・・・。

亜紀を誘ってみよう。
俺は、一旦城へ戻って、自分の小隊に戻った。
小隊長に話をし、速見亜紀を連れ出しても良いと許可をもらった。
それでは、速見 亜紀本人を訪ねてみよう。
今日は、当番だから、今の時間は、宿直室にいるだろう。
俺は、宿直室のドアをノックした。
コンコン。
「富田竜一です。入るよ」
「どうぞ」
俺は、ドアを開けた。そこには、速見 亜紀だけが居た。
そうか。いつもは、俺と組んでたから、俺が居ないと1人で当番してたんだ。
「悪いな、抜けてしまって」
「気にしないで。もう、『任務』は終わったの?」
今回は、極秘任務のため、小隊長でさえ内容を知らされていない。もちろん、彼女も内容をしらない。
「いや、これからだよ。実は、一緒に来てもらいたいんだけど・・・まずいかな」
「その任務ってヤツに?私も行って良いの?でも、当番は?」
「それは、小隊長に話してあるから。別の小隊からメンバーを回してもらえるよ」
「そう?じゃ、問題ないね!」
亜紀は、ニコニコして嬉しそうだ。
「少し危険だけど、良いかな?」
「任務の内容は、まだ教えてくれないの?」

別に亜紀なら良いだろう。俺は、任務内容と今までの事を話した。
「ふーん、なるほど。森岡知美さんね、そういえば名前は聞いたことあるかなー。」
「あぁ、魔導師称号最年少取得記録だからね。」
「そうか、確か、普通の魔術師が30年以上修行が必要だと言われてるのに10歳の少女が取得してしまったってヤツね。考えたらすごい人ね・・・」
「そうだな。だから今、俺達の戦力として必要なんだよ」
「そうね、じゃ、支度してくるね。」
彼女は、一旦自分の部屋へ戻って、数十分後、準備を終えて出てきた。
「お待たせ、じゃ、レッツゴー!」

さて、どこへ行こうか。

俺は、もう一度、教会へ戻ってきた。
もう時間は昼過ぎになっている。
「おなか空いたね」
亜紀が、おなかを押さえてる。こっちまで聞こえないが、お腹の虫がグーグーなっているようだ。
「先に教会寄ってみるから。その後、すぐ昼飯にしよう」
「うん、それまでがんばる!」
亜紀は、一生懸命お腹の虫と戦っているようだ。なんだかそんな姿を見てるとつい抱きしめてあげたくなってしまうくらいかわいい。
教会に着いた。あれ?さっきの女の子がまた掃除してる。
「こんにちはー!」
俺は、声を掛けてみた。
「あ、あら、もういらっしゃったんですか?」
「もしかして、あれからずーっと掃除してました?」
「はい。ずーっと掃除してました」
「もしかして、毎日ずーっと掃除してるんですか?」
「はい。毎日ずーっと掃除してますよ」
・・・・・・。
あれからたっぷり5時間くらい経っている。
皆口ちゃんってものすごく気の長い性格だな。
「ところで、由香は・・・」
「あ、そうでしたね。由香さんならもう起きていらっしゃいますよ。少しお待ち下さい」
そう言うと、皆口ちゃんは、テケテケと入っていった。
「『少しお待ち下さい』って、なんだかメチャクチャ長い間待たされそう・・・」
亜紀は、そう言いながらへたり込んでしまった。鳴りやまないお腹の虫との戦いがもうそろそろ限界みたい・・・。
と、言ってる間にバタバタと走る音が聞こえてきた。
「あ、竜一くぅーん!やっほー!!」
由香が手を振りながらドタドタと走ってきた。
さっきのちゃんとまるで対照的だな。こりゃ。
由香、久しぶりだな」
「ホント、たまには遊びに来てよー!もう、教会なんてジジイと女ばっかでつまんないし」
シスターにあるまじき発言。さすが由香・・・。
そんな会話を見ていた亜紀がクスクス笑いながら由香に笑顔でお辞儀した。
「初めまして、由香さん」
「は、始めました・・・じゃない、初めまして・・・?」
「私、富田君と同じ小隊所属の速見 亜紀です。今回は、遊びじゃないです。ごめんね。」
「あれ?仕事で・・・来たの?」
由香は、俺の方をちらりと見た。

俺は、そろそろ話すかと思って口を開く。
「実は、今回特別に任務を受けて、知美の所へ行くことになったんだよ。それで由香も一緒に行かないかと思ってな」
「え?知美ちゃんの所へ?でも、知美ちゃんって行方不明じゃなかったの?」
「いる場所がわかったんだ。とにかく、俺達連星軍が勝つためにはどうしてもあいつの力が必要なんだ」
そこまで言って、俺は声を小さくして由香に囁いた。
「・・・っと、大きな声じゃ言えないが、これは極秘任務なんだよ。由香、絶対誰にもしゃべっちゃダメだぞ」
「わ、わかった・・・」
由香も返事を小さく囁いた。それは、別に小さな声じゃなくても良いんだけど。
「とりあえず、由香、今から行けるか?」
「えっ!今から??・・・うん、行く行く!!おもしろそうだし」
一瞬驚いたのはなんだったんだ?まぁ、それはともかく、これで仲間が2人になった。
あ、そういえば・・・。
「ところで、亜紀、もうお腹大丈夫なの?」
「あ、ワスレテタ・・・あー、思い出したらまたお腹空いたーー!!」
面倒な腹だなー。
俺達は、由香が準備をしている間、すぐに近くの食堂で食事した。由香は、もうすでに朝昼兼用食を食べていたらしい。
ちなみに、起きたのは30分前だったそうだ。ホントにあいつはシスターか!?

俺達が食べ終わった頃に由香がやってきた。
俺は、さっきから気になっていたことを聞いてみた。
「ところで、由香、なんて言い訳して出てきたんだ?」
「大丈夫。ちゃーんと、ウソついてきたから」
俺がいくら聞いても「大丈夫」としか言わない。ムチャクチャ気になるんですけど。
さぁ、出発だ!
俺達は、城下町を出て、西の山へ向かった。

まず、馬車で夢西(ゆめにし)の街へ向かい、そこから徒歩で西の山へ向かう。

−おわり−

いやー、ホントに中途半端でしょ?(笑)
後は、実際のゲームで我慢してね。

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